作成者別アーカイブ: yuko murai

グループ展「銀座動物園Ⅴ」に参加します

カテゴリー: 展覧会情報 | 投稿日: | 投稿者:


「銀座動物園Ⅴ」
2024年7月13日(土)〜7月23日(火)
11:00〜19:00
水・木曜休廊
最終日は17時まで
スパンアートギャラリー

東京・京橋のスパンアートギャラリーで開催されるグループ展に参加します。
テーマは動物。
たくさんの可愛くて不思議な動物たちに会いに来て下さい。

私はうさぎの学校を描きました。
今回は給食の時間です。

今日は何かな?

カレーライスだね!

描いていると給食当番の白衣の感触、配膳テーブルの色、給食準備室の匂いなどが徐々に思い出されます。
今もやっぱり、給食の時間はにぎやかなのかな。

このほかにテンペラ画を2点展示します。
背景のハートは金箔です。

フルーツ牛乳が大好きなミミ子ちゃん。
昭和の頃は、特別な日にだけ紙パック飲料が出たものです。

うさおくんはじゃんけんに勝ち、余った冷凍みかんをゲットしました。

誰にとっても給食の時間には、いろいろな思い出があるのではないでしょうか。
そんな記憶とともに楽しんでいただけましたら幸いです。

国立西洋美術館「内藤コレクション 写本」を見てきました

カテゴリー: exhibition | 投稿日: | 投稿者:


国立西洋美術館にて写本の展覧会を見てきました。
素晴らしい展覧会でした!

長年、テンペラ画で写本の模写をしてきたので、とても親しいものたちに会えたような気がしました。

静謐な佇まいの写本ですが、実は昔の人たちの息遣いを肌で感じることができるのです。
ちょっとマニアックかもしれませんが、私なりに感じた見どころをご紹介します。

①皮を感じる
今でこそ額縁に納められた一枚の絵画のようですが、かつては本の中の1ページでした。
この頃の羊皮紙はとても薄く、裏にも絵や文字が書かれているのがよくわかります。
縁がよれて変色していたり、経年劣化でインクの部分が穴になって抜け落ちていたり。
印刷物ではわかりにくい臨場感です。

②インクの濃淡を感じる
文字の書き始めは濃く、やがて薄くなり、また付け直して濃くなります。
活版印刷とは違う手書きの跡です。
当たり前のことですが、何百年も前の書き手の動きを想像できてワクワクします。

③金の輝きを感じる
会場では、少し腰をかがめて下から覗き込んでみてください。
照明が反射して、ページに散りばめられた金が輝きます。
なかには、盛り上がってピカピカに光っている部分もあります。
こういう部分はメノウで丁寧に磨かれたためです。
数百年前から変わらない厳かな輝きを探してみて下さい。

④色の豊かさを感じる
一見、華やかでカラフルに見える装飾写本ですが、実は色数は控えめです。
基本的に15世紀以前のものには赤、青、緑しかありません。
これらに鉛白を加えて色の濃淡を作っています。
(まれにガンボージュの黄色も使われます)
当時の描き手たちの工夫と技量による華やかな表現を堪能して下さい。

⑤かつての役割を感じる
部分的に変色したり、絵の具が擦れて剥がれているものもありました。
大型の楽譜などはみんなで歌いながら何度もめくっていたのでしょうか。
驚くほど小さなページもあります。かつて貴婦人が身に付けていた時祷書だったのかもしれません。
いろんな書体でびっしりと注釈が書き込まれたページを見ると、幾人もの手に渡り、勉強に使われていたことを感じます。

⑥遊び心を感じる
写本には、余白を埋めるためにいろいろな装飾がなされます。
特に文字部分にはユーモアの効いた装飾がみられます。
落書きみたいな横顔やモンスターが書いてあったりと、昔の人もお茶目だったのですね。
穴や汚れを隠すために描いたのかな、と思われる絵もありました。
写本は聖なるものですが、力強い創造力や自由闊達な遊び心にも満ちています。
「美しさ」とはそういうところに宿るのかな、とも思うのです。

写本の世界に足を踏み入れて十数年。
いつの間にか魅入られていたようで、熱く語ってしまいました。
こんな素晴らしいコレクションを築いてくださった内藤先生に感謝です。

日本人にとって写本は特殊なものですが、実はとても親しみやすい世界です。
写本鑑賞の一助になればうれしいです。

(最後にこっそりアドバイス)
信じられないほど小さな描写が目白押しなので、虫眼鏡を持参することをおすすめします

#内藤コレクション
#写本
#西洋美術館
#上野
#装飾写本
#中世美術
#展覧会
#テンペラ画

第49回現代童画展・受賞作家展に出品します

カテゴリー: 展覧会情報 | 投稿日: | 投稿者:

今回ご案内する展覧会は、昨年の第49回現代童画展で賞を受けた作家による新作発表会です。
私は会友奨励賞をいただきました。
日本画を1点展示します。

「第49回現代童画展・受賞作家展」
2024年4月29日(月)〜5月5日(日)
11:00〜18:30
初日は14:00から
最終日は16:00まで
銀座アートホール2階
東京都中央区銀座8丁目110番地


「五月雨あがる」 日本画 20号M

5月に合わせて藤の花を描きました。

散歩道の畑に朽ちた塀があり、白藤がからんでおりました。
野生なのか、つるは奔放に絡み、花房は短くあちこちを向いています。
その姿はおおらかで、白い花弁は凛とした美しさを放っていました。
そんな白藤を描きたいと思いました。

ちょうど雨があがる頃。
雨降りと晴れがひとつの画面に混在しています。

枝と髪に雨滴が残っています。

受賞作家展にはたくさんの力作が展示されます。
5月の連休のひとときに、どうぞご高覧ください。

*5月4日(土)の15時から当番で会場におります

【追記】
会場の様子です。
独創的で見応えのある作品が並んでおりました。

岡山・アンクル岩根のギャラリーでの2人展のお知らせ

カテゴリー: exhibition | 投稿日: | 投稿者:

ヨシダコウブン・むらいゆうこ
二人展「あめつちのおくりもの」
2024年4月20日(土)〜28(日)
11:00〜19:00
最終日は17:00まで 火曜休み
アンクル岩根のギャラリー
岡山市北区中山下1丁目5−38
カタヤマビル1F

福山を拠点に活動する陶芸家のヨシダコウブンさんとの2人展です。
コウブンさんは、キュートでシュールなケモノたちを備前焼で制作する、とても人気のある作家さんです。
岡山の旧市街にあるアットホームなギャラリーで、どんなコラボになるでしょうか。

私は日本画と版画を約20点展示します。
20日(土)と21日(日)は在廊する予定です。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

アンクル岩根のギャラリー

【追記】
会場の様子です。
まずはエントランス


今回は版画も展示しました

コウブンさんの作品たちです

たくさんのお客様がご来場くださいました。
近隣のビストロにご購入いただき、展示された絵もあります。
嬉しい限りです。ありがとうございました。

はがし刷り版画技法の紹介

カテゴリー: exhibition | 投稿日: | 投稿者:

版画にはいろいろな技法がありますが、はがす版画「はがし刷り」は身近な材料で手軽に作れるのが大きな魅力。
まだ新しい技法なので、自分なりにいろいろなアレンジが楽しめます。
私が作った方法を紹介します。


下書きと版画と版

①ボール紙にクラフトテープを貼る
*私はクラフトテープの代わりに紙パレットを貼りました。

②とがったもので引っ掻いて線刻する。

③リキテックスの黒を凹んだ線に刷り込む

④アクリル絵の具で彩色

⑤アクリルジェルメディムを塗布する

⑥紙に置く

⑦バレンでこする

⑧ドライヤーで乾かす

⑨はがす

最後ははがすだけですが、絵の具を詰めて整える作業にはコツが必要ですし時間もかかります。
そこはやっぱり版画を作っているという歯応えを感じられるところ。
道具は身近なものでできるので、気軽に楽しめますよ。

「10×10版画展」に参加します

カテゴリー: 展覧会情報 | 投稿日: | 投稿者:

「第6回10×10版画展」
2024年4月1日(月)〜7日(日)
12:00〜19:00 (最終日16:00まで)
銀座中央ギャラリー
中央区銀座1丁目9−8奥野ビル411号室

銀座中央ギャラリーで開催される「10×10版画展」に参加します。

小さな版画がびっしりと壁面を埋め尽くす展示を見て、なんて面白いんだろう! と思ったのが数年前。
私も版画ができれば参加したいなぁ、と感じさせる展覧会でした。

実は昨年、日本橋の中和ギャラリーで剥がす版画というものを知りました。
メディムはがし刷りというそうです。
クラフトテープやアクリル絵の具など、手持ちの材料で作れます。
これまたなんて面白いんだろう!と思い密かに試していところ今年の募集を知り、即エントリーしてしまいました。
版画は全く専門外。お遊び感覚で作った剥がす版画ですが、新たなチャレンジの場にしたいと思います。

はがし刷りはアクリルジェルメディウムを使って転写する版画です。
手探りでの制作。何度も試し刷り。
失敗を重ねてようやくコツが掴めてきました。

「ドリームハンター」
今夜の夢を探しに行こう!

こんな感じのゆる〜い作品を4点出品いたします。
肩の力を抜いて楽しんでいただけたら幸いです。

この「10×10版画展」は毎年好評で、今年は90名を超える作家が参加します。
作品は小さいけれど、版画の魅力を存分に楽しめますよ。
小さいゆえの買いやすい価格も好評とか。
私も初挑戦の記念価格で望みますのでどうぞよろしく♪

銀座アートホールでの春季展と同じ会期ですので、おついであればお立ち寄りください。

【追記】
展示の様子です。
数百枚の版画が並ぶ様は圧巻!(画廊SNSより写真をお借りしました)


私の作品は第二会場の一兎庵に展示されています

はがし刷り版画はおかげさまで大変ご好評をいただいております。
4種の絵柄は5枚ずつの納品です。
在庫状況は画廊のホームページから確認することができます。どうぞご参照ください。
銀座中央ギャラリー「10×10版画展」

春季展に参加します

カテゴリー: exhibition | 投稿日: | 投稿者:

現代童画会の「春季展」に参加します。
2024年4月1日(月)〜7日(日)
11:00〜18:30
初日は13時開場
最終日は16時まで

春にふさわしい絹本の作品を1点展示します。
「青嵐」8号F
背景はヤマボウシです。
晩春、葉の新緑の上に白い花が連なりうねる姿は、青春時代に吹き荒れる大風を感じさせました。
言いようのない不安を抱えた若き日々と春の季節は、とてもよく似ています。

最終日の4/7(日)に当番で在廊します。
銀座中央ギャラリーでの「10×10版画展」とちょうど同じ会期ですので、おついでがあれば是非お立ち寄りください。

2023年を振り返って

カテゴリー: exhibition | 投稿日: | 投稿者:

2023年もいろいろな活動ができました。一番の変化はテンペラの教室を開講したことでしょうか。

おかげさまで満席となりました。
石膏塗りの課外講座を開催したり、みなで楽しく学んでおります。

展示活動も新しいチャレンジにつながることが多く、実り多い一年でした。
4月
「2次元と3次元の饗宴」
スパンアートギャラリー

ウエノミホコさんとペアになり、ウサギの学校をテーマにを描きました。
動物を主役にするのは初めてでしたが、とても楽しく描けました。

5月
「現代童画展・受賞作家展」
銀座アートホール

奥野ビルのトイレを描いてしまいました。

8月
「銀座動物園」
東京交通会館 エメラルドサロン

スパンさんの主催でしたので、ウサギの学校シリーズの続きです。すっかり遊んでしまいました。

9月
「ephemeral〜少女の領域2023」
みうらじろうギャラリー

超人気作家や超絶技法の超上手な作家がひしめくこの展覧会に対しては変化球を投げるしかありません。
というわけで「乙女祈祷書」。
羊皮紙に卵テンペラという古典的な技法で乙女の熾烈な世界を描きました。
またも遊んじゃいましたね。

11月
アートラインかしわ「共晶点」
パレット柏

今年は松隈さんを偲んで制作しました。みなの作品がつながって、素晴らしい展示空間になったことが印象的です。

11月
第49回現代童画展
東京都美術館

「風に乗れ」30号Sを出品しました。
会友奨励賞を受賞しました。

12月
個展・リレー展覧会「楚なり半透明な」
BIOME

12月BIOME「楚なり半透明な」

抽象的なテーマをどう描くか、とても刺激的なチャレンジになりました。
リレー展覧会という形式も新鮮でした。

2024年も良い作品を描いていきたいです。
よろしくお願いします。

「アートコレクターズ」1月号に掲載されました

カテゴリー: exhibition | 投稿日: | 投稿者:

美術雑誌のアートコレクターズ1月号の特集「やっぱり日本画が好き2024」にて紹介されました。

活動を始めた25年前には私の絵に「日本画」なんて肩書きは到底つけられませんでした。
イラストタッチの日本画は常識外れで、個展のたび、難癖をつけられたらどうしようとひそかに心配していたものです。
でも今や、日本画もすっかり多様化しています。
時代は変わったな、と思うのです。
ともかくも、私は描きたい絵を描き続けるつもりです。

今回は編集部のチョイスということでとてもありがたいです。
がんばっていていいんだ、と思いました。
これまで関わってくれたみなさまに感謝いたします。

BIOME神戸での個展の様子

カテゴリー: 展覧会情報 | 投稿日: | 投稿者:

神戸のギャラリーBIOMEにて、2023年12/8(金)〜12(火)に個展をいたしました。

木漏れ日が心地よいギャラリーです。
ゆったりと11点の日本画を配置しました。

今回は「楚なり半透明な」というテーマのもと、新作を7点制作しました。
BIOMEでは二度目の個展です。
モダンな空間とオーナーさんの美意識を知っていましたので、シンプルながら力強い作品を意識しました。

全ての音が重なると、真っ白な色になってしまうイメージを描いた「ホワイトノイズ」

あいまいな心情をシャボン玉に見立てた「何処へ」

ギャラリーでは左右にシャボン玉だけを描いた小品を添えて、広がっていく空間を演出しました。

12月の穏やかな昼下がり、たくさんのお客さまにご来廊いただきました。
いろいろなお話をさせていただき、楽しいひとときとなりました。

もちろん、せっかくの神戸ですもの、空き時間には観光も楽しんできましたよ。
ギャラリーの近くの相楽園は、とても表情豊かな日本庭園でした。

園内には異人館もありました。

有名店のにしむら珈琲にてランチ。
神戸名物、トアロードデリカテッセンのハムがのっているのがうれしいポイント。

リレー展覧会「楚なり半透明な」、3人の日本画家が順番に個展をする趣向です。
牧野環さんと木下めいこさん、そして私。
世代は同じですが、描く日本画と活動のフィールドは違っています。
それぞれを楽しめる展覧会が、お客さまにはご好評とのこと。

リレー展覧会の最後には3人の作品が同時に展示されます。
どのような空間になるのか、とても楽しみです。
それはまた後ほどご報告しますね!

【追記】12/27
リレー展覧会の最終章には、3人の作品が同時に展示されました。
残念ながら会場に行くことはできませんでしたが、ご覧になった方から頂いたご報告では、とても落ち着ける雰囲気になっていたそうです。
現代の日本画を存分に楽しんでいただけたことと思います。
ありがとうございました。