月別アーカイブ: 2011年7月

絶滅していく画材たち

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暑中お見舞い申し上げます

最近、残念なことがありました。
愛用していた画材が、相次いで製造中止になってしまったのです。
まずは三千本膠(さんぜんぼんにかわ)。

絵具を画面につける糊のようなものです。
日本画の必需品といっても過言ではないくらいの画材が消えてしまいました。


こちらは岩絵具の淡紅末という色です。
画材屋さんに無かったので、まさかと思って尋ねると、やはり製造中止とのこと!
わたしにとってこの色は、かなりのヘビーユーズ。なくてはならない色でした。
にかわを混ぜたときの使い心地なども良く、ずっと使ってきたのに!
これには、ちょっと泣けました。


こちらも、ずっと使ってきた色鉛筆なのですが、お店をまわったら、この色は廃番になったと言われました。
輪郭を取るのに、このメーカーのこの青色を使ってきたのです。
大きい絵だと1本使いきっちゃうんですよね。
他をいろいろ試したのですが、良いのがありません。
どうしてもあきらめられず、ネットで探したらありました!
30本ほどまとめて取り寄せましたが、世の中からなくなるのかと思うとハラハラします。

膠や絵具は、つくれる職人さんがいなくなってしまったそうです。
日本画は、画材自体も伝統文化なのですね。
残念ではありますが、代替品を探したりして時代の変化に合わせていかないとなぁ、と思った夏でした。

ひとまず完成

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先週ご紹介した絹絵も、ひとまず完成しました。
前作では、朝顔が人物より鮮やかに浮き上がってしまった反省がありました。
今回は墨を多用して、画面全体を常に馴染ませながら描いてみました。
そのせいか古色然としたきらいもありますが、画面のまとまりは得られたかな。

それにしても、花を描くには、絹はとても適していたのですね。
和紙よりも、柔らかく優美な雰囲気にしやすいような。
是非、秋の個展でご覧くださいませ。

細か~く描けるので、ついつい凝ってしまうおそれもあるなぁ、と思いつつ、ひとまずここで完成です。

絹絵にチャレンジ

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梅雨の晴れ間には、盛夏のような日差しが照りつけるこの頃です。

5月には講習を受けて、絹絵を描いてみました。
学生時代に模写をして以来、十数年ぶり。
記憶をたどりながら木枠に絹を張り、一生懸命描いてみましたよ。

左が下絵とした作品です。いつものように和紙に描いています。
これを写して絹絵にしたものが右側です。
和紙よりも絵具の乗りがよく、少量でもよくのびます。
水干や顔彩など安価な絵具でも、とても美しく発色してくれるのも驚きでした。
難しそうなイメージでしたが、案外、描きやすいのかも!
「日本画」を意識しつつもイラストレーション的に、マットに仕上げてみました。

さて、こちらはまだ途中の作品です。
絹はきれいにぼかしができるので、前作とは違う雰囲気で描いてみようかな~。


絹絵は、和紙と違い、最初に完璧に構図を決めてから描かなければなりません。
描きながら絵をじわじわと作っていく私にとっては、その点がちょっと難しい!

でも日本画ならではの美しい絵肌は魅力的ですね♪
これからも精進していきたいところです。

追伸:チャリティー展ではお越し下さったみなさま、そしてお買い上げくださったみなさま、ありがとうございました。